なんやかんやブログ

ごちゃごちゃと言うてます。

私はなぜBLが好きなのか。

BL。ボーイズラブ

男性同士の同性愛を題材にした作品のことである。
私はBL作品が好きである。
それほど詳しいわけではないし、自分で創作しているわけでもないので、世のBLを愛してやまない方々からその程度で好きと言うなと言われるかもしれないが、マイルドにBLを愛している。
BLに触れたときの感覚はなんとも形容しがたい。とりあえず話の内容はあまり気にしない。ただ、男性同士が恋愛をしている(もしくは恋愛の予感がする)という状態が目の前にあれば、私は多福感に包まれる。この感覚は自分の意志とは関係なく勝手に感じることで、私はいつも違和感を覚える。
なぜ男性同士がよいのか?
タブーを破ることによるエクスタシーによるものか?
だとすれば、女性同士でも起こるはずでは…?
一条ゆかりの「砂の城」でフェランがフランシスを愛しているという事実に、えもいわれぬ感覚を覚えたあの日から、私の中で何にも代わりにならない感情を生む存在となったBLというもの。
砂の城はBLではありませんが。)

私が思うに、BLは女の子が求めてやまない2つの事柄を叶えてくれる魔法の装置だ。
1つは素敵な男性と結ばれたい。
(ここで言う、素敵な男性とは、女性の恋愛対象が男性でなくてはいけないということではなく、恋愛対象となる可能性が高いという意味で使っています。)
自分が心酔する人と愛しあうことはちょっと、なにものにもかえがたい。これ以上の幸せなんてあるのか、このために生まれてきたんじゃないかと思うこともある。そんな風に思ってしまう恋は、やはり強い欲求を生むと思う。

もう1つは男の子になりたい。
女に生まれてよかったと言いきることは難しい。もう1つの可能性を捨てきることができない。男の子がTシャツ1枚で気軽に外に出られること、自分よりも力強く走れること、夜道を気軽に散歩に行けること。自分がもしかしたら持てたかもしれなかったものを羨ましく思う気持ちは、心のどこかに「男の子になりたい」という願望を潜ませないだろうか。

私はこの2つとも、女の子にとって、とても切実な願いだと思っている。
少なくとも私にとってはそうである。

BL作品は主人公に感情移入すれば、「私」はもう男性だ。そして、自分が素敵だと思う男性と恋をしている。
もっと言えば、BLは性描写が多い印象があるが、男性が男性として、女性が女性として区別される根拠は身体のつくりが手っ取り早くわかりやすい。男性となった「私」が、裸になり、身体のつくりが露わになる。それは、欲しかった、なりたかった男の子の身体を手に入れたと、より実感することにならないだろうか。

叶わなかった夢がここにある。
幸せの追体験だ。
だけど、私は女として生まれた。
女に生まれてよかったと言うのは、自分に生まれてよかったと言うくらい難しいように思う。もしかしたら、そんな風に男女の区別を自分につけてしまうことが、そもそもやわなのかもしれない。
BLは私を幸せにする。だけど、その幸せは、私が女であるということに納得できたら、また少し違う種類の幸せになるのかもしれない。